一般的に、
FXは手数料が無料、と広告には謳われていますが
実質的には『スプレッド=手数料』となっています。
どんなものでも
安く買って高く売れば儲かるのは当然ですが
FXの場合、実際には、
スプレッドのおかげで
高く買って安く売る事から始まります。
つまり、
買いポジションを持ってすぐに決済すると
スプレッドの分、損をするという事です。
元々は、
たとえば「1ドルが100円」という価値の商品に対して、
それを安く仕入れて高く売りたい、
という業者が間に入っている為に
この様な事になるわけですが、
この利益の幅を大きく獲りたい上に、
競合他社よりも数値を低く抑えたい!
という二律背反の中で、
不毛な低スプレッド競争の行われているのが、
我々の居るFX業界です。
通常口座と手数料外付け口座?
単純に考えて、
原価が他社と同じであり
金利のようにマイナスにする事が出来ない以上、
スプレッドの競争には限度があります。
限りなくゼロに近づけていくと
業者としての利益が無くなってしまう訳ですね。
スプレッドは狭い方が有利、
という神話みたいなものに左右されている
というのも考え物ですが、(実際はスリップ等も考慮する)
狭いスプレッドに対する一つの解として、
実際のスプレッドと業者の利益を分けてしまおう
という考え方の口座が存在します。
口座の種類が2つ有る理由は?
FX業者によっては、
このスプレッドを極限まで下げる代わりに、
外付けの手数料を徴収する口座を設けています。
つまり、
同じMT4口座なのに二種類の口座が存在するという事です。
いわゆる通常の口座(TitanFXの場合はスタンダード口座)では、
通貨ペアの配信レートに応じて損益が決まります。
例)1ドルを1万通貨分、100円で買い、101円で売れば、1万円の利益です。
これが、
手数料外付け口座の場合、
ここへさらに1万通貨取引に対しての手数料が掛かります。
本来、
「取引手数料が無料」
が大きなメリットであるFXというトレードですので、
通常、この様に手数料を支払ってまでトレードする
非効率な口座は必要ないのですが、
一部のトレーダーにとってはメリットが有るため、
この様な手数料外付け口座を用意している業者もあります。
(TitanFXの場合、ブレード口座)
単純に考えて、
トレードごとに手数料が掛かると言うことは、
勝った時にも利益を削られ、
負けた時にはさらに損失が膨らみ、
結果として良いところは全くありません。
2つの口座は何がどう違う?
では、何故、2種類の口座種別が有り
通常の口座と手数料口座にはどういう違いがあるのか?を
TitanFXのスタンダード口座とブレード口座を例に解説します。
TitanFXでのスタンダード口座と、手数料外付けのブレード口座
↓
上記例の場合、
スプレッドが「ほぼゼロ~」の代わりに
10万通貨トレードごとに3.5ドル、という事なので
1万通貨のトレードなら0.35ドル
の手数料が掛かるという事になります。
これは
1ドル=100円の場合、35円相当となります。
これが「トレードごと」に掛かるという事なので
エントリー⇒決済のワンセット
つまり往復取引と言う事になり
35円×2=70円
という手数料が毎回毎回掛かってきます。
これが業者の利益と言うことですね。
ドル円で1万通貨取引を行った場合
1pips=1ドル、1ドル=100円とすると、
70円は0.70pipsに相当します。
つまり、
トレードする通貨ペアが
スプレッド「0」だったとしても、
0.7pipsのスプレッドと同等ということです。
表面上スプレッドが
「ほぼ0」だとしても、
その分、
外付けでスプレッド相当を負担するなら
同じ事ではないのか?
と思われるかもしれません。
実際にどれくらい違うのか?
たとえば下記例(HP上、リアルタイムスプレッド値)の場合、
↓
主要通貨で見るだけでも
スタンダード口座とブレード口座には
1pipsの差があります。
これに手数料相当の0.7pipsを加味すると、
実質0.3pipsの差があり
その分、ブレード口座が有利という意味になります。
しかし、
この0.3pipsの差をメリットにするのは、
生易しいことではありません。
手数料を払ってでも勝てる?
例えば、
104.000で買いエントリーし、
104.010で決済する、と言うトレードの場合、
通常口座で1万通貨エントリーの場合なら、
このたった1pipsでも利益が取れれば
100円の利益になります。
しかし、
手数料外付け口座の場合は、
ここから手数料を70円引かれて
30円の利益にしかなりません。
また逆に、
1pipsの損失を出してしまった場合でも、
マイナス100円に加えて
さらに手数料70円を徴収されますので、
合計170円の損失となってしまいます。
この例の通り、
仮に一勝一敗のトレードが完了した時点でさえ、
通常口座に対して70円×2=140円の
余計な損失が発生しています。
となると、
同条件・同手法で取引するのであれば、
通常口座に比べて、手数料外付け口座の方は
回数を重ねるごとに手数料負けしていくことは
容易に判断できます。
ただし、
このわずか0.3pipsの幅でレートが動く間に・・・
さらにもうひと勝負掛ける位の激しいトレードを行うか、
一回のトレードで数百pips幅の利益を獲得してしまい、
手数料を大きく上回らせる、
という考え方を持って臨めば、
手数料外付け口座のメリットを受ける事が出来るかもしれません。
しかし、
この場合でも、
損失を出した場合の手数料について
しっかりと計算しなければ、
最終的には手数料負けの損を出している可能性もあります。
単純な話ではない、ということ?
この様に、
手数料外付け口座を利用するのであれば、
手数料負けをしない様な入念な戦略・戦術を持つ必要がありますし、
安易に「スプレッドが狭い方が良いよね」という話ではない
という事は理解できるかと思います。
いわば上級者向けの口座と考えて良いでしょう。
なお、
EAでの自動売買の場合は
そもそもの設計段階から
この手数料外付け口座を想定していない事もありますので
更に注意が必要です。
バックテストを鵜呑みにしないために
たとえばデモ口座を作成する際に
Blade口座を選択したとしても
↓
バックテスト結果に手数料は反映されません。
あくまで売買の損益だけが結果として出てきますので
あとから自分で総ロット数を集計して、
手数料を計算する必要が有ります。
その結果、
バックテストで得られた利益よりも
手数料としての経費の方が大きい
なんて事態が発生する可能性も有りますので
注意が必要ですね。